Vol.67 2016 No.6


「途中下車は紅葉色」 只見線 会津宮下(福島県三島町)
山あいの秘境を縫って走る只見線は、いつの季節も四季折々の輝きに満ちています。秋深まる頃は、沿線の木々は見事に色づき、その中をくぐり抜ける気動車は、錦繍につつまれた“ゆりかご”です。懐かしい木造駅舎に誘われて、ふと途中下車をしてみれば、紅葉色の風が、そっと手招きをしています。
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Vol.67 2016 No.5


「移りゆく時代のなかで」 都電荒川線 町屋駅前(東京都荒川区)
夕暮れ迫る町屋駅前停留場。色づいたイチョウの街路樹と、初夏と秋の二度咲くバラの花が、沿線の暮らしに彩りを添えます。東京に唯一残った都電、荒川線。長年くり返されてきた営みは、どこか自然現象のよう。巡りゆく時代と季節をつないで、新旧の車両が、今日もいつもの街並みを行き交います。
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Vol.67 2016 No.4


「夏空の真ん中へ」 若桜鉄道若桜線 安部(鳥取県八頭町)
木造の駅舎と待合室が味わい深い、若桜鉄道安部駅。2008年、この駅を含む、沿線の鉄道関連23施設が、国の有形文化財に登録されました。また、安部駅プラットホームは、映画「男はつらいよ」にも登場しています。懐かしさ溢れる情景。遥かに伸びた線路は、遠い夏休みの記憶の真ん中へと続いてゆきます。
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Vol.67 2016 No.3


「夏への歩み」 富山地方鉄道立山線 有峰口(富山県富山市)
立山黒部アルペンルートの玄関口、立山駅に近い、富山地方鉄道立山線有峰口駅。苔生したホーム、年季の入った木造の待合室。夏の緑をまとったそれらの造形は、手の込んだジオラマ作品のよう。やがて、雨あがりの青空とリンクして、山あいのローカル駅を彩るように、「かぼちゃ電車」がやってきました。
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Vol.67 2016 No.2


「川面を染めて」 京浜急行電鉄本線 京急川崎-六郷土手(神奈川県川崎市)
京急川崎駅近く、多摩川の河川敷。川面には、淡いピンク色に薄紫を差した夕刻の空が。京浜急行と東海道線のトラス橋が並行して架かり、列車が鉄橋を揺らすたび、春の夕空を湛えて音もなく流れる水面に、光の帯が滲みます。土手の片隅では、染まりゆく川面を見つめて、恋人たちが静かに語らいます。
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Vol.67 2016 No.1


「雪化粧の山並みに」 アルピコ交通上高地線 新村-三溝(長野県松本市)
冬晴れの空から降り注ぐ陽光が、雪化粧した田畑や山並みを輝かせます。標高600mを越える白銀の高地をキャンバスに凛として描かれた曲線は、上高地線の線路です。透明感に満ちた信州の冬景色に、イメージキャラクターをあしらった「なぎさTRAIN」が、爽やかな風を届けます。
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